目次
公務員の仕事が楽だといわれる理由
まずは公務員の仕事が楽だと言われる背景について、精神面、肉体面でそれぞれご紹介したいと思います。
- 身分が保証される、クビがないから
- 退職金、年金などは民間企業より高待遇
- 年収の計算もしやすい
- 残業も夜勤もない
- 休みが安定しており、有給・産休などの休みの取得も容易
- ノルマがない
精神面
精神面で楽だといわれるいわれるポイントとしては主に下記3点となります。
①身分が保証される、クビがないから
公務員は、一度なってしまえば、クビということは、犯罪行為を行うといったようなよほどのことがない限りありません。
そのため、原則定年まで勤め上げることが可能となります。つまり、リストラのない終身雇用の実現ができるお仕事なので、民間企業で働くよりはるかに気楽な立場でいられるのだという考え方ができます。
②退職金、年金などは民間企業より高待遇
公務員年金は一般のサラリーマンより多いと言われますよね。
実際、「厚生年金保険・国民年金事業の概況」という調査において発表されている数値として、一般のサラリーマン出身者の年金受給金額は、平均230万円程度です。
しかし、公務員を退職した方の夫婦での年金受給額は270万円程度なっており、月当たりの受給額において5万円以上もらえる金額に差分が生じています。
そのため、民間企業に勤めるサラリーマンと比較し、公務員を引退した後の老後においてもも安心ですし、給与も非常に高いわけではないものの、安定して年収アップが望めるため、公務員の方は安定した生活が長期的に実現させることができます。
③年収の計算もしやすい
公務員は原則終身雇用であることに加え、年功序列の整った職場であると言われています。
事実、若いうちは決して年収は高いといえないものの、段階的に年収があがるようになっており、確実に長期で就労すれば年功序列の仕組みのもと、年齢が上がるとともに高い年収を稼げ、あらゆるライフプランに対応できるようになります。
そのため、家やマンション、自動車を計画的に購入することが可能となり、結婚し、お子さんが生まれた後の教育資金の捻出も比較的容易にできる環境であると言えます。
肉体面
①残業も夜勤もない
公務員のイメージはいわゆる「9時ー5時」労働です。役所の窓口は5時過ぎに締まり、土日も役所は閉まっているため、残業も休日出勤など辛いことがないというイメージが民間企業に就職している人の間で定着しています。
②休みが安定しており、有給・産休などの休みの取得も容易
最近は比較的容易になってきましたが、民間企業で働ているサラリーマンにとって、有給休暇を取得するのはなかなか大変なことです。
また、女性にとって、産休・育休の取得というのはハードルが高いことです。
- 実際に民間企業で働く女性の方で、今の会社にいても産休が習得できない
- 出産した後も働きたいのに今の会社で時短勤務が実現できないということ
それができる環境を探して転職活動を行っている方も数多くいらっしゃいます。
しかし、公務員であれば、男性の育休取得も認められるなど民間企業と比較して労働者の権利を行使することが民間企業と比較してはるかに容易に実現できます。
あらゆる人が実現に苦労する労働者の権利を実現できる環境がある点も、公務員が肉体的に楽だといわれる所以であると言えます。
③ノルマがない
民間企業で営業職として働く方は、日々厳しいノルマ、目標を課された状態で業務を行っています。
また、営業職以外の方もそれぞれ厳しい期限付きのミッションが与えられながら仕事をしています。そして、上述でも触れたように、これらのミッションを達成できない方というのは不要だと言われ、退職に追い込まれるケースすらあります。
それに対して公務員は、ノルマがありません。追われて仕事をするということが苦手という人は向いているかもしれません。
公務員の仕事について
ただ、一言で公務員といっても、公務員にはあらゆる業務があります。次に公務員の仕事にはどのようなものがあるのかということについてご紹介をしたいと思います。
公務員の仕事にもいろいろな職種がある
公務員というと、なんとなく市役所の職員を想像される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに、市役所の職員の方も公務員のうちの一人です。しかし、実際公務員と言っても、国家公務員、地方公務員、専門職、警察官や消防士などその職種は多岐にわたり、それぞれ業務内容は異なります。
また、公務員は民間企業で働く方と比較し福利厚生が整っている、またその権利が行使しやすいという点は共通しているものの、それ以外の点については、労働時間、求められるミッションなどもついても当然異なってきます。
「公務員」という仕事は、非常に多岐にわたる職種があります。まずはその点について認識してください。
国家公務員と地方公務員の違い
公務員は大きく分けて日本という国のために働いている国家公務員と、神奈川県、横浜市や東京23区といったそれぞれの自治体で働く地方公務員に分かれます。
地方公務員の中にも、県で働く職員の方もいらっしゃれば、市町村で働く職員もいてその職員たちもいて、設定されているる給与テーブル、業務内容などは全く異なります。
出典:http://www.jinji.go.jp/syoukai/f-syouka.htm
また、国家公務員には、民間企業と同じように、幹部候補生、いわゆる官僚と呼ばれる「総合職」と、それ以外の「一般職」に分かれます。「総合職」も「一般職」も財務省、文部科学省といった各省庁に配属されます。
ただし、総合職は、出世スピードが全く異なります。30歳前後で課長クラスになり、その後出世レースにはなりますが、すごい勢いで各省庁の要職についていくことになります。また、学閥があり、同じ官僚においても、結果的に事務次官になれるのは東大出身者です。
一方、一般職の出世は頭打ちになり、頑張っても各省庁の地方機関の部長クラスまでにしか出世できません。同じ国家公務員でも官僚かそうではないかで大きくその出世状況は異なってくるのです。
加えて、財務省、文部科学省といった各府省で働く職員以外にも裁判官、国会職員なども国家公務員となります。そして、これらの方々は「特別職」という、別枠で採用されることとなります。
そのほか国会図書館や造幣局などで働く独立行政法人で働く職員も国家公務員のとなります。
このように、国家公務員と一言でいうには実に奥深い構造となっているのです。
地方公務員の仕事にもいろいろな種類がある
上述では、国家公務員についてお話をさせていただきましたが、地方公務員なかでもいろいろ仕事は分かれています。次に公務員の職系についてもお話をしたいと思います。
①事務系職種
皆さんがよく目にしている窓口対応をしている役所の方は、「行政職」や「事務職」などと呼ばれます。公務員の仕事に従事している人の大半はこのような事務系種の方です。
みなさんのイメージだと事務系職種の方=役所の窓口対応を行っている人と考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、事務系職種=役所の窓口対応の人というわけではありません。事務職系の数ある仕事のうちの1つでしかなく、現状はあらゆる部署、出先機関に配属され、業務内容も多岐にわたるというのが特徴なのです。
また、都庁や県庁と市町村の役所・役場においても仕事は全く異なります。
事実、都庁や県庁でみなさんが窓口対応を行ってもらうことはあまりないでしょう。
住民票の登録、各種申請等の窓口対応を行ってもらうのは特別区、市町村の役所・役場で、皆さんの知っている公務員の仕事はたいていここに該当します。
では、窓口対応の他にどんな仕事があるのかという例を以下でご紹介します。
・都道府県
道路関連、農林水産関連、企業誘致、教育といった市町村では対応しきれないこと、また社会福祉、警察の統括なども都道府県の仕事となります。
・市町村
上記でお伝えした戸籍・住民票関連の窓口対応からごみ処理、上・下水道の整備、子育て支援など、地域の方々が安心して生活できるようにするための小回りなサポートを行うことが業務の中心となっています。
そして、役所においては「労働局」、「交通局」、「水道局」といった一般企業では部署に当たる区分を「局」という単位に分けますが、事務系職種はどの局にも配置されます。そういった点から、事務系職種の方は、あらゆることに対応するゼネラリストという位置づけになります。
②専門職
地方公務員というと、上述の事務系職種の方を思い出す方も多いかと思いますが、理系職種の方を採用する専門職枠というのもあります。
具体的に言えば
- 「電気・電子」
- 「機械」
- 「土木・建築」
- 「化学・薬学・生物」
といった専門職の方の採用も行っています。
彼らは学校、病院等のような公共施設の整備を行ったり、避難所になる災害に強い公民館をの設計を企画・管理をしたりという業務を行います。
ちなみに国家公務員においてもこのような専門職の採用を行っています。ただ、採用枠がかなりないことから本章で簡単に触れさせていただきました。
③警察、消防、教員といった現場仕事
警察、消防、教員といった現場仕事の方々も地方公務員です。彼らの仕事内容については皆さんがご存知の通りかと思いますのでであえて割愛しますが、彼らも公務員であるということを認識してもらえたら十分です。
公務員の仕事は楽ではない、辛い場合もある
公務員は楽に多くのお金をもらっていると思っている方も多くいらっしゃるのかもしれませんが、必ずしもそうではありません。中には民間企業では考えられないようなつらさを抱えている公務員の方もいらっしゃいます。
では、公務員の辛さにはどのようなものがあるのか以下で紹介をさせていただきます。
公務員にある辛さ
まずは公務員に共通してある辛さについてご紹介します。
①国民、市民からのクレームが多い
公務員は、時に「税金泥棒」と揶揄されるように、自分たちの大事なお金を何の努力もせずもらっているという誤った感覚をもっている国民、市民の方も数多くいらっしゃいます。
そのため、的確な指摘もありますが、時に理不尽なクレームを受けることがあります。
例えば、実際あった事例として
救急車や消防車に乗っている隊員が、業務が完了したのちにコンビニで急きょ食事を購入したところ、「さぼっている救急隊員がいる」や、仕事が終わり、居酒屋等で飲酒を楽しんでいた時には「こんなところで飲んでないで働け」などといったあらゆるところで見られています。
2012年、福岡市役所の職員が飲酒時に暴行事件を起こした事件がありましたが、その事件を受けて、当時の福岡市長は1か月間、市役所職員全体に自宅以外での飲酒を禁止させた事件がありました。あまり民間では考えられないですよね。
この事件の背景には、公務員の方が市民の方からみられている目というのはかなり厳しいものがあるというのが容易に想像できます。
その他気に入らないことがあった時も「公務員のくせに」といったクレームを受けるなど民間勤務の方では考えられないようなことを言われるケースもあります。
こういった点は公務員より民間企業で働くほうが気楽といって良いでしょう。
②労働基準法が適用されない
民間企業で勤務されている方においては、ちゃんと適用されるかされないかは別として、規定時間以上働けば残業代を支払いなさいという労働基準法の庇護のもと働くという大前提があります。
しかし、公務員は労働基準法の適用対象外です。
そのため、残業代がもらえないこともあります。
後でご紹介しますが、教員、官僚の方などはこの点で最も苦労されている公務員であると言えます。
③年収も安くはないが、高くもない
公務員は安定して公務を行うために低い年収を提示されることはありません。
だからといって、国民・市民の税金から給料をもっている立場です。そのため、一定の役職に到達しない限り、高年収を提示されることはありません。
事実、人事院が2018年に発表した「国家公務員給与等の実態統計調査の結果」において、国家公務員の平均年収は、500万円程度と発表されています。なお、国家公務員の平均年齢は43.1歳となってります。
決して低い年収ではありません。しかし、東証一部に上場している民間企業に勤務する方とと比較すると決して高い金額とは言えません。
公務員は生活に苦しむような低年収とはなりませんが、試験に通過するのが難関なのにかかわらず、大手一流企業と比較すると決して良い給料をもらえるわけではないので、そういった点も決して楽であるとはいいがたいです。
個別の仕事においても楽ではない仕事はある
①ブラック企業顔負けの労働時間の仕事もある
上述でもお話をしましたが、公務員は労働基準法の適用対象外です。そのため、特に若い世代は長時間労働、安月給でブラック企業並みの労働条件で働かされるケースも少なくありません。
事実、人事院の公表しているデータだと大卒で官僚の方の初任給は18万6700円 + 手当 で22万4040円程度と決して高くありません。
にもかかわらず、官僚の方々の労働時間はとてもに異常です。
時期にもよりますが、国会が始まる前は、各省庁の大臣の答弁、質問なども全部官僚の方が考えます。
そのため、毎日24時が過ぎても働くなんて言うことは当たり前です。また、上述の通り、残業代も支払われませんので、時給換算したらとんでもない金額になります。
民間で残業代が支払われないのに、遅くまで働かせるケースも当然ありますが、公務員の方だって同じような苦しみを味わっています。
また、最近問題になりましたが、教師の部活指導も彼らにとっては業務です。
1か月数千円の手当しか払われないのに、
- 土日も部活の引率で朝早くから自身のプライベートを犠牲にして働かなければない
- また授業が終わった後の書類作成
- 運動会などの準備等があった
上記の状態があったとしても残業代がもらえないまま働かされることになります。
今民間企業で働き方改革が叫ばれており、労働時間に関して厳しい管理がなされている会社も多くあります。
文部科学省も教員の「働き方改革」に乗り出し、労働環境の改善を図っていますが、教員の世界というのは、前例を重んじる社会であるため、そういった動きはまだまだ浸透しているとは言えません。
そして、この他にも公務員の方で長時間労働をしている方もたくさんいらっしゃいます。公務員だから9時ー5時で帰ることができるということは無いと考えましょう。
②上司のパワハラはなくても市民からのパワハラがある
民間企業では上司が目標数字ができない社員にキツイ言葉を浴びせて、数字に対する「詰め」があります。公務員でもそういった仕事に関する上司からの指摘がないわけではありませんが、それ以上に多いのは市民からの辛辣な指摘です。
その指摘が時に理不尽でかつ非常に的を射ない、クレーマーの対応も出てきます。とはいえ、税金を払っている市民からの言葉なので無下に扱えないというジレンマがあります。
例えば市役所で、夏の暑い時期に冷房をきかせていた際に、ある市民から「税金で運営しているくせに冷房で涼んでいるんじゃないよ」というような声もあるようです。
中には、ずっと双眼鏡で市役所の喫煙所を見張り、煙草を吸っている市役所の職員を見つけたら、市役所にクレームの電話を入れるということをしている人もいます。
公務員というだけで、特に都道府県庁、市役所、町村役場に勤務されている方は人権を奪われるような市民のクレームと闘わなければならないのもつらい点です。
③人がやりたがらない仕事をやるのも公務員の仕事
公務員の仕事というのは、市民が安全して暮らせるようにするため、またそれに関連した業務を行います。そのため、人がやりたがらないことをやらなければならない場合も出てきます。
例えば、税金滞納者の督促、台風や地震の時の対応などはその最たる例と言えます。のんびり机に向かって、たまに窓口対応を行うだけが公務員の仕事ではないのです。
実際2ちゃんねるには市役所配属先ランキングというものがあり、各市役所の部署の中で天国となる部署から地獄の部署まで上げられていますが、どのような部署がきつい部署として挙げられているのかという点についてもご紹介をさせていただきます。
・生活支援課
生活保護対象者をターゲットにした部署で生活保護を受けている人の事務的な対応をメインでおこなっています。
この生活保護対象となっている人は、常識が常識として通じないというケースも数多くあります。
そして、そういった人を相手にすることでまっとうなコミュニケーションができないことから業務が前に進みません。
この部署は、決して残業時間は多いわけではないのですが、相手が相手だけに精神的なダメージを受けるケースも少なくはないのです。
民間企業であればお客さんを選ぶことができますが、公務員ではそれができないから辛いという側面もあるのです。
・ 防災課
元々は忙しくない部署の筆頭格みたいな存在で、ある自治体では人員定数を見直した際に、人員が削られた部署の1つです。
そのため、言葉は悪いですが仕事のできない職員を配属するような部署でもありました。
しかし、東日本大震災でその立ち位置は変わりました。
東日本大震災が発生したことから、いざ災害が起きた場合はかなり大変であることがわかりました。
そのため、今まで残業が少なく、多く有休をとれていましたが、
現状としては防災計画の策定し、防災訓練や防災用具点検の実施がかなり厳密化しました。そのため、一気に最も大変な部署の1つとして位置づけられるようになりました。
そして、いま災害が起きたら、防災課の方は不眠不休であらゆる対応に追われ、間違いなく忙殺される部署となります。
みんなが動けないときに動くということをしなければならない公務員の最たる例であるといえます。
④消防、警察官は体育会系色が強い
上述でお伝えしたように、消防や警察官、自衛隊も当然ながら公務員です。
こういった体力仕事をする方々は、高校時代、大学時代に体育会系の部活に所属していた体育会系の方々の集まりです。
そのため、職場はもちろん年功序列の縦社会です。こういった職場の場合、先輩のいうことは絶対です。
そのため、理不尽な要求にも耐えなければならない場面も数多くあります。
加えて飲み会は非常にハードです。
時に時代錯誤も甚だしい一気飲み、限界まではしご酒といったことも日常的に行われます。そのハードさはサラリーマンの比ではないです。
公務員になることはキャリア的にもいいとは限らない
上述では公務員のハードさについてお話ししましたが、キャリア形成の観点からもプラスに働かないことがあります。本章ではその点についてもご紹介します。
転職ができない、できたとしても仕事を選べない
実は転職市場では、公務員経験者は高く評価をされません。
なぜなら、公務員は頭を下げる機会が少ないため、民間企業の働き方に適さない、また高い目標をもって働く習慣がないという先入観を企業側から持たれています。
加えて、公務員の方の働き方は特殊で民間企業の働き方にフィットしないことが多いです。
仮に転職を実現できたとしても、今公務員として働くより年収は下がりますし、職場環境においても、今より良い職場というのは見込めないでしょう。
実際、上記でご紹介したように教員志望の方が、教員試験を突破した後に理想をもって教員になったものの、想像をはるかに超えるハードな職場環境に耐えかねて、退職し、新たな職場を民間に求めたというケースがありました。
しかし、教員という職種は、常に上から話すため、頭を下げる民間企業の採用では嫌われに嫌われました。
書類選考不通過を繰り返してしまいました。
その結果、なんとか塾産業に転職を成功させることができたものの、年収は下がり、かつ労働時間は長いままで再度転職をしなければならない状況を作り上げてしまいました。
ちなみに学習塾での経験者というのも、あまり転職市場で好まれない傾向があり、この方は今後も学習塾業界での転職を繰り返す可能性が高いといえます。
以上の例からもわかるように、公務員はつぶしが聞かない仕事です。そのため転職には非常に向かない転職弱者であるのです。間違えても公務員より楽な仕事には就くことができないと考えましょう。
一般のサラリーマンに認められた権利がない
上述でもお話をさせていただいたように、民間では適用される労働基準法が適用されません。そのため、官僚の例でもわかるように、残業代の出ないハードな職場も多くあります。公務員だからかえってつらい思いをするケースもあります。
国家公務員であればキャリアとノンキャリアの差に生涯苦しむことになる
民間企業で就職した場合は、総合職で採用されることが前提となりますが、入社した後は学歴差別が多少あれど、同期は一斉スタートになります。
仕事で成果を上げた人が出世していくというシステムになっています。
そのため、完全にとはいかないまでも比較的平等に扱われることとなりますので、自分の頑張りしだいで年収アップが実現できます。
しかし、公務員はそうはいきません。特に国家公務員や警察の世界はは非常に顕著です。上述でもお伝えしたように官僚といわれる総合職と、ノンキャリアとよばれる一般職の差は絶対的に埋められません。
キャリア組と呼ばれる官僚は、鉄道で例えるなら新幹線のようなスピード感で出世をしていきます。対して、ノンキャリアの一般職の出世スピードは各駅停車です。これは例えノンキャリアの方の仕事の実力があったとしてもこの事実は変わりません。
そういった点で、スタート時点から自身の未来が見えているというのもキャリアアップがめざせないという点でモチベーション維持が難しいということも言えます。
公務員もサラリーマン同様の苦しみを抱えた労働者である
みなさんは公務員のお仕事というのは非常に楽であるとお考えだと思いますが、ここまで読んでいただき、決してそうでないということをご理解いただいたのではないのかと思います。
確かに公務員の方で、楽な仕事をしている人もいます。上述で紹介した2ちゃんねるの公務員の楽な部署ランキングに挙がってくる部署の方は、本当に楽な仕事をしています。
しかし、公務員全体で仕事を語るのであれば、公務員の業務は必ずしも楽というわけではなくはなく、公務員独特の仕事の多大変さに悩んでいる方も多く、そういった点で、民間企業で働くサラリーマンと同じように日々苦しみを抱えながら、毎日仕事と戦って生きているのです。
また、公務員は一生安泰だと思っている方も多いと思いますが、2007年、北海道の夕張市で財政破綻、すなわち民間企業でいえば倒産にあたる事例も発生しました。今後少子化も進んできていることから、公務員が安定しているという概念もなくなる可能性も十分にあります。
隣の芝生は青いといいますが、民間企業で働いている人は日々の仕事が大変だから公務員はうらやましいと思っているのでしょう。
しかし、同様に毎日厳しい仕事に取り組んでいることに加え、市民の厳しい目があるため、サラリーマンの立場がうらやましいと感じている公務員の方も同様にいるのです。
安定、楽、そういったことにとらわれず公務員、民間企業にかかわらず、あなたがやりがいをもってできる仕事をしっかり見つけ、目指す姿に向かって日々努力をしていくというのが大事なのです。
そして、今公務員になりたいと思って日々公務員試験に向けた勉強を進めている方もいらっしゃるでしょう。
そういった方において、楽をしたいと思って公務員試験の勉強を進めてしまっては、仮に合格しても実際楽ができず辛くて、早期で公務員を辞めてしまうという状況を生み出してしまいます。
公務員には公務員だからこそ実現できるという仕事があります。ぜひそういった仕事に対しやりがいを見出したうえで高いモチベーションを持ちながら公務員試験の勉強に取り組んでもらえたらと思います。