給料未払いに困ったときこれだけは気をつけたい7つのポイント

勤めている会社の給料がこの数ヶ月支払われていない……。自分には関係ない話と思うかもしれませんが、今は例え大手であっても、何が起こるかわからない時代、当たり前にもらっていた給料が、会社の業績悪化で突然未払いになるというのは、決してあり得ないことではありません。そうなった時、未払い分の給料はどうやって回収するのか? スムーズな退職方法は? そして転職先での対応など、ぜひ知っておいて欲しいポイントをまとめました。

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給料未払いが起こってしまう理由とは

経営不振の場合が一番多い

給料の支払いが滞る一番の理由は、やはり経営不振による収益の悪化です。経営側からすると、資金繰りが苦しく、ないものは払えないと言うかもしれませんが、そんな状況でも経営者には当然、賃金の支払い義務があります。

零細企業のワンマン経営者によくあるのが、「ひと月くらい給料の支払いが遅れても大丈夫だろう」という甘い考えです。

しかし、給料の支払いには、

1「通貨払いの原則」、2「全額払いの原則」、3「直接払いの原則」、4「毎月1回以上払いの原則」、5「一定期日払いの原則」

賃金支払の5原則』と呼ばれる、法律によって明確に定められた、会社の使用者が従業員に対して支払う賃金のルールがあります。

会社側の都合のみで、給料未払いや支払いの遅れは認められていません。

また、未払いについて労働者側の同意を取っていたとしても、法的に支払義務が免除されることもありません。

トラブルによる賃金の未払い

経営の悪化以外にも、賃金未払いの要因はあります。

例えば、労働者がなんらかの理由で退職した場合、「急な退職で会社に迷惑をかけたから、最後の給料の締め日から退職日までの賃金は払わない」といった、感情的な理由で未払いになるケースがあります。

しかし、その社員の退職により会社になんらかの損害があったのが事実だとしても、その損害賠償と賃金は別ものです。実際に働いた部分の賃金は支払われなければなりません。

ただし、損害分について、会社側と該当社員との間で、給料から差し引いておくといった合意がある場合は別です。

給料の未払いを回収するには?

給料未払いが起こってしまった時に、誰もがまず考えるのは、未払い分は受け取ることができるのか? どうやって回収するのか? ということではないでしょうか。これには以下の手順が有効です。

・まずは口頭で直談判

未払いが明らかになり、会社の態度がはっきりしない場合は、まずは経営者である社長に支払い請求をしましょう。

いきなり詰問口調で迫る必要はありませんが、未払いに対して問いただすことは社員の当然の権利です。しかし、支払い請求をしても払ってもらえない場合は、次の対策を講じる必要があります。

・口頭での話が無理であれば内容証明郵便が有効

口頭での請求がダメなら、内容証明郵便で書面による請求を行いましょう。内容証明郵便とは、差出人が送付した文書の内容を郵便局が謄本として証明する制度で、後で訴訟となった場合に有力な証拠にもなります。

文面のタイトルは「賃金支払請求書」などとして、一目で未払いの請求であることを明らかにしましょう。また弁護士に依頼し、弁護士名義で書面を送付することは、こちら側の本気度を相手に示す効果があり、請求に応じてくれる可能性が高まります。

・それでもスルーされるなら法的手続きを

内容証明郵便による請求を行っても、支払いに応じないな場合はどうでしょう、

強制力のある法的手続きに移行します。とはいえ裁判を起こすのは期間と労力がかかり大変です。そこで、より簡易な制度である「労働審判」を検討しましょう。

・労働審判で迅速な問題解決を図る

労働審判は、労働者と事業主との間で起きた労働問題を労働審判官1名と労働審判員2名が審理し、迅速な解決を図ることを目的とするものです。

通常の裁判よりもかなり早く、申し立てがあって3回以内の期日で審理が終了する、労働者の負担の少ない、利用しやすい制度です。

ただ、労働審判では証拠が重要となりますので、事前の証拠収集を忘れず行うようにしてください。

給料明細はもちろん、未払い分の時期のタイムカードの詳細、源泉徴収票、給料振込口座の履歴などを確認し、整理して手元に残しておくようにしましょう。

証拠が揃っていれば、審判の場で話し合いを行うことで、未払いの給料をスピーディに支払ってもらうことができます。

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給料未払いで転職する場合は会社都合退職?

給料未払いが理由だとしても、解雇でなく、自分から退職願を出して退職した場合はどうでしょう。会社においては自己都合退職扱いとなります。

しかし、一般的には2か月連続で自分の給料の3分の1以上が支払われていない場合は、会社都合での退職としてハローワークで処理してもらえるケースがあります。

ただ、ハローワークでの会社都合退職の認定には、はっきりと給料の未払いを証明できる書類や証拠が必要になるので注意が必要です。窓口で一度相談してみましょう。

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未払いで会社を辞めたら失業保険は出るの?

ハローワークで、未払いでの自己都合退職が、会社都合によるものと認定されれば、「特定受給資格者」として、給付制限期間をまたずに、すぐに手当が降りる可能性があります。

自己都合では最大で150日の給付期間も、特定受給資格者なら最大330日に伸びます。会社都合になる状況、理由をしっかりと理解し、本来受けるべき資格のある権利を放棄することがないようにしましょう。

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未払いで困っている、悩んでいるならすぐに転職するべき

給料が未払いになるということは、何らかの大きな問題が会社にあるということに間違いありません。

・倒産寸前で払える余裕がない

・トラブルで急遽お金が必要になり、給与に回す余裕がない

・経営の見通しが立たず、支払いを少しでも先延ばしにしたい

など

給料の未払いを起こすような会社は、たとえ最終的に支払ったとしても、今後、未払いが常態化する恐れがあります。

会社に愛着があり、もう少し様子を見ようというのも個人の考え方ですが、それでも再び未払いが起こるようであれば、素早く見切りをつけて転職を考えるべきです。

給料未払いの話は転職先の面接でしてもいい?

転職するにあたり気になるのが、面接時に、退職理由を給料の未払いであることを告げるべきかどうか。

これに関しては、余程大きな会社でない限り、転職先の会社でも給料未払いが起こる可能性はあると言わざるを得ません。

自己都合でなく、仕方のない転職だったとしても、面接では仕事内容など、ポジティブな退職理由を述べる方が得策です。未払いに限らず、給与などの金銭面を理由にするのは、「お金が第一の転職か」「たとえ採用してもまた金銭を理由に転職するのでは」などネガティブな印象を持たれる可能性があります。

それに、面接で前の会社の悪口を口にすることは、「いつか自分の会社も同じように言われるのではないか」という疑心暗鬼を生んでしまいます。未払いの件は面接では胸の中にしまっておきましょう。

給料未払いの不安を払拭して転職したいならエージェントを使おう

給料未払いは一度でも経験すると、トラウマになりかねないほどの不安となります。

もう二度とあんな思いはしたくない、そう思うなら、転職エージェントに相談するのがおすすめです。

転職エージェントは求人をスクリーニングしているので、経営状態が悪い企業を勧めてくることはありません。 

あらかじめ担当者に自分の不安や思いを伝えておけば、未払いの心配のない優良企業を選んで紹介してくれるはずです。

また、面接での退職理由の述べ方など、心配な点に関しても相談しながら進めれば、頼りになるパートナーになってくれるでしょう。会社をやめる前に、まず連絡を取ってみてはいかがでしょうか。

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まとめ

給料未払いが起こってしまう理由には、会社の経営不振によるものと、会社と労働者の間のトラブルによるものがあります。

未払いが発覚したら、まず口頭で支払いを請求し、応じてくれなければ内容証明郵便を送り、それでもダメなら労働審判に訴えましょう。給料未払いが理由で自己都合退職したとしても、未払いの証拠があるなら、会社都合になり、有利な形で失業保険を受けられる可能性があるります。

会社在籍時から証拠となるものはしっかり手元に残しておきましょう。転職先の面接では、退職理由に未払いを含めた金銭面は述べず、ポジティブな印象を与えるようにすべきです。

不安があるなら、ぜひ転職エージェントも活用して、安心、納得の上で転職活動を進めましょう。本記事で紹介した情報が、みなさんの不安解消のお役に立てれば幸いです。