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不幸にも仕事が合わなくて転職したくなった時、何の考えもなく辞めてしまうのはとても危険です。
辞める理由の説明や求職活動などうを計画的に進めてこそ、後悔せずに転職の影響を最小限に抑えられるのです。
上手に転職できれば悩みが解消されて、毎日を活き活きと過ごせるようになるでしょう。
どのように転職を進めればいいのか具体的に紹介します。
転職は計画的におこなうと後悔が少ない
・仕事を辞めたい人は何らかの不満を抱えている
・辞める理由を伝えるときは建前だけにして円滑な退職を目指す
・どのタイミングで転職活動をするかはその人次第
・スムーズに退職するなら2~3ヶ月前に意向を伝える
・新しい仕事を探すときはサポートしてくれる転職エージェントが便利
・転職サイトは検索ワードを工夫して仕事を絞り込もう
・サラリーマンよりフリーランスのほうが向いている場合もある
仕事を辞めたい!仕事を辞める理由TOP10!
仕事を辞めたい理由は人それぞれです。
主な理由は待遇、人間関係、仕事内容とバラバラですが、何らかの不満を抱えている点は共通しています。
どのような不満があるのか、転職理由のTOP10を見てみましょう。
第10位:望まない転勤を命じられた
正社員は、人事異動で転勤を命じられると従わなければいけません。
就業規則に明記されていればなおさらです。
もちろん育児や介護など正当な理由があれば、回避できる可能性はありますが、それ以外の理由で拒否すると懲戒解雇されても文句は言えません。
恋人と遠距離恋愛になるのは嫌だ、田舎に転勤して生活が不便になるのは嫌だ、という個人的な理由だったり、赴任先が出世コースから外れているのを屈辱的に感じたりする人もいます。
第9位:勤務地が遠い
都心部で働いていると通勤に1時間以上かかるのは珍しくありません。
職場の近くで暮らすのは家賃が高くなるからです。
通勤時間を読書や学習など有効に使える人もいますが、行きも帰りも立ちっ放しの満員電車に苦痛を覚える人もいます。
朝は早く起きなければならず、夜は最低限の用事を済ませるので精いっぱいです。
もっと楽に通勤したいという理由で自宅に近いところへ転職する人は意外と多いのです。
第8位:職場の環境が悪い
1日8時間以上を過ごすので、職場は快適であってほしいものです。
けれども節約のために照明や冷暖房をケチられると、暗い上に夏は暑く冬は寒い環境で仕事をしなければいけません。
設備投資ができなくて古いパソコンやプリンタなど時代遅れの機器を使うのも、能率が悪くてストレスが溜まります。
特に他の職場で働く友人と比べた際、環境の劣悪さが身に染みて転職したくなるでしょう。
第7位:将来性を感じられない
ある程度長く勤務すると、キャリアの限界が見えてくるようになります。
まだ自分自身に伸びしろを感じられるなら転職してさらなるキャリアアップを目指したいところです。
ただし転職した後で急に業績が伸びたり、残った同僚が良い思いをしたりするケースもあります。
必ずしも見切りをつけるタイミングが正しいとは限りません。
特に20代のうちは簡単に将来性を決めつけない方が良さそうです。
第6位:スキルを活かせない
どんなにスキルがたくさんあっても、仕事に反映させられなければ無駄になってしまいます。
自分から積極的にアピールして部署移動する方法もありますが、いっそ転職したほうが早く解決するかもしれません。
まったくの異業種に転職することでスキルを活かせる場合もあります。給料アップも期待できるでしょう。
第5位:やりがいを感じられない
何をもって「やりがい」とするのかは人それぞれで、一つの職場がすべての社員のやりがいを満たせるわけでもありません。
ただ、「何のためにこの仕事をしているのか分からない」と意義を見出せないのであれば、転職によって前向きに働けるようになるはずです。
第4位:ノルマがきつい
営業職や販売職は商売の最前線に立って物を売らなければなりません。
当然ノルマがあり、厳しく課せられる職場もあります。
たとえ普段は無関係な部署にいても、売上目標を達成するために協力を求められる場合もあります。
金銭面での自己負担を余儀なくされたという笑えない体験談もあるほどです。
こうしたノルマは一つ達成しても延々と続くのでキリがありません。
比較的容易に達成できそうなノルマのほうが仕事は長続きするでしょう。
第3位:自由な時間が少ない
第9位の通勤以外にも、残業や休日出勤などがあれば仕事に拘束される時間は長くなります。
貴重な休みも溜まっていた用事を片付けたり、疲れを回復したりするだけで終わってしまうかもしれません。
仕事とプライベートを両立させたい人にとっては苦痛でしかないでしょう。
定時で退社できて休日も固定されている職場なら、このような悩みは解消されます。
ただし働く時間が短くなった分だけ給料が減る可能性がある点は要注意です。
第2位:人間関係が良くない
仕事を円滑に進める上で人間関係は重要ですが、定年まで何の悩みもなく恵まれる人はごくわずかです。
多かれ少なかれ合わない人と仕事することになって苦労します。
相手から嫌われているならなおさらです。
近年では様々なハラスメントもあります。
また職場内で問題なくても、取引先や顧客に気に入らない人がいる場合もあります。
転職で解消されるかもしれませんが、次の職場でうまくいく保証はありません。
第1位:給料が少ない
転職の理由で最も多いのが給料などの待遇です。
単に少ないというより、働いた分に見合わないと不満を抱きやすいようです。
同様に福利厚生が乏しいのも転職の理由になります。
どれだけ社員に還元するかは経営方針にもよるので、必ずしも正当な対価が支払われているとは限りません。
売上アップに貢献しているという自負があるなら、使い捨てにされるよりも転職の道を選んだほうが健全です。
仕事を辞めるときの理由は本音で言う?それとも建前?
仕事を辞めるとき、何の前触れもなく仕事に行かなくなるのは社会人のルールに反しています。
最低でも1ヶ月前までに退職の意向を表明したいものです。
できれば3ヶ月以上前のほうが引き継ぎも滞りなくできて円滑に退職できるでしょう。
最初は必ず直属の上司に相談するのが礼儀です。
ここまでしなければいけないのは今後のためでもあります。
例えば悪い評判を残したまま退職すると、新たな求職先が問い合わせて発覚したら不採用になるでしょう。
取引先など意外なところで繋がっている可能性もあります。
転職先での仕事がやりづらくなるかもしれません。
当然、退職の理由も率直に本音で伝えるよりは建前のほうが波風は立ちません。
また給料に不満があるといってアップするといわれたら、人間関係に不満があるといって別の部署への配置転換を提案されたら辞めづらくなります。
もっとも提案されるだけで本当に実現するかはまったく当てになりません。
たとえ建前でも前向きな理由を伝えたほうが無理なく退職せざるを得ない方向に持っていきやすいでしょう。
では、どのように退職理由を伝えるのが望ましいのか表にまとめました。
NG | OK |
---|---|
給料が少ない | 成果や実績で分かりやすく評価されたい |
人間関係が良くない | チームワークを重視して働きたい |
– | コミュニケーション能力を磨きたい |
自由な時間が少ない | 生産性を高めて仕事したい |
ノルマがきつい | 一人のお客様と深くかかわりたい |
やりがいを感じられない | 達成感のある仕事をしたい |
スキルを活かせない | 専門性を活かした仕事がしたい |
将来性を感じられない | 新たな環境で力を試したい |
職場の環境が悪い | 効率を上げてもっと成果を出したい |
勤務地が遠い | 仕事に充てる時間を増やしたい |
単に辞めたい | 勉強したいことができた |
– | 個人で事業を始めたい |
ポイントはあくまでも前向きな理由に変換することです。
意欲や向上心が伝われば上司も退職を止めづらくなるでしょう。
求職中に面接で退職理由を聞かれたときも役に立ちそうです。
ただし事実と異なることを言ってはいけません。
例えば体調不良や家族の病気、結婚の意向などです。
ごまかし続けるのが辛くなります。
転職活動は仕事を辞めてから?それとも辞める前?
仕事を辞めてから転職活動を始めれば、少しの間のんびりできて身も心も休まるでしょう。
逆に仕事と並行して辞める前に求職すれば収入は途切れません。
どちらが良いのかはその人次第です。
それぞれのメリットとデメリットを知った上で時期を検討してみましょう。
辞めた後の転職活動
メリット
・時間にゆとりがあるので、じっくり検討しながら転職活動できる
・前の職場に遠慮しなくてもいい
・面接の都合をつけやすい
デメリット
・収入が途切れるため、資金計画が不十分だと生活苦に陥りやすい
・焦るあまり意にそぐわない仕事に飛びつく可能性がある
・失業期間が長くなるほど面接での印象が悪くなる
時間はたっぷりありますが、それに甘んじてばかりいると転職には不利になります。
せめて半年以内には仕事を始められるように、時間を有効に使いましょう。
在職中、雇用保険に加入していれば失業保険を請求できますが、自己都合の場合は約3ヶ月の待機期間があります。
せめてその間は生活できるだけのお金を貯めておきたいものです。
また退職後は周囲との交流が途絶えがちです。
スクールやセミナーに通うなどスキルアップを兼ねて外に出る機会を増やしましょう。
辞める前の転職活動
メリット
・収入が途切れないのでお金の心配がない
・辞めてから始めるよりも面接での印象が良い
・次の職場が決まれば具体的な退職の話ができる
デメリット
・退職の手続きや引き継ぎが遅れて、転職先の希望どおりに働けない恐れがある
・遠方へ転職する場合、面接の行き来が大変。
・現在の仕事に追われて転職活動に専念できない
収入面での安心はあるものの、転職活動に時間を割けないのとモチベーションを維持しづらいのが難点です。
この日までに転職すると期限を決めて計画を立てましょう。
転職エージェントにサポートしてもらうと仕事を探す手間が軽減され、条件や勤務開始日など本人に代わって交渉してくれます。
退職から次の仕事までのスケジュール
退職を決意してから次の仕事を始めるまでには、やらなければいけないことがたくさんあります。
どのようなスケジュールになるのか、辞めた後で転職活動を始める場合と、辞める前に始める場合とで見てみましょう。
辞めた後で転職活動を始める場合のスケジュール
まず2~3ヶ月前に上司へ退職の意向を伝えます。
有給休暇が残っていれば消化できるよう計画を立てましょう。
正式な退職日が決まったら残務処理をすると共に、後任者への引き継ぎをおこないます。
あらかじめ文書にまとめたり、マニュアル化しておくと分かりやすいでしょう。
半月前になったら取引先への挨拶も済ませておきます。
退職日までには会社から貸与されていたものを返却し、パソコンに残っているデータはすべて消去します。
退職後の連絡先も伝えておきましょう。
送別会がある場合は、たとえ退職の理由がどうであろうと羽目を外さないように気をつけます。
この間の手続きとしては退職届を提出するくらいですが、退職の前後に受け取らなければいけない書類があるので忘れないようにしましょう。
退職前に受け取るもの
・年金手帳(会社が預かっている場合)
・雇用保険被保険者証
退職後に受け取るもの
・源泉徴収票
・離職票
なお健康保険証は退職日まで使えるので、翌日に返却します。
その他、会社から求められた手続きには速やかに応じましょう。
退職後はまず国民年金に加入します。
健康保険は前の職場の「任意継続被保険者制度」を利用するか、家族の健康保険の被扶養者になるか、国民健康保険に加入するかのいずれかです。
国民健康保険の加入を選択した場合は、国民年金と一緒に自治体の窓口で手続きできます。
いずれも期限(国民健康保険・国民年金は14日以内、任意継続は20日以内)が決まっているので、速やかに手続きしましょう。
次に転職活動をおこなうために転職エージェントや転職サイトに登録したり、ハローワークで求職を申し込んだりします。
ハローワークでは失業保険の請求もできます。
手続きには前の職場から送られた離職票や印鑑、写真2枚(3㎝×2.5)、失業手当を振り込む口座の通帳、マイナンバー証明書、本人確認書類が必要です。
なお自己都合で退職した場合、失業手当の支給にはいくつかの制限があります。
会社都合なら11日以上雇用されていた月が6ヶ月以上あれば要件を満たせますが、自己都合は12ヶ月以上必要です。
また会社都合であれば手続きから7日間の待機期間を経て失業手当を受け取れますが、自己都合はさらに3ヶ月の待機期間があります。
給付日数も以下のように異なります。
– | 雇用保険加入期間 | – | – | – | – |
---|---|---|---|---|---|
– | 1年未満 | 1年以上 | 5年以上 | 10年以上 | 20年以上 |
– | ~5年未満 | ~10年未満 | ~20年未満 | – | |
自己都合 | 90日 | – | – | 120日 | 150日 |
会社都合 | 90日 | – | 120日 | 180日 | – |
(30歳未満) | – | – | – | – | – |
(~35歳未満) | 90日 | – | 180日 | 210日 | 240日 |
(~45歳未満) | 90日 | – | 180日 | 240日 | 270日 |
(~60歳未満) | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
(~65歳未満) | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
”
手続きから数日後に「雇用保険受給者説明会」があるので、必ず指定された日時に出席します。
そこで最初の「失業認定日」が告知されます。
以降も4週に一度の割合で「失業認定日」があり、そのたびにハローワークへ出向いて求職状況について説明します。
再就職の意向はあるのに失業していると認定されれば、数日後に失業手当が振り込まれます。
なお転職先が決まった時点で給付日数が1/3以上残っている場合は、ハローワークに申告すると「再就職手当」が支給されます。
無事に転職できたら新しい会社に年金手帳と雇用保険被保険者証、源泉徴収票を提出します。
もし年をまたいで転職した場合は自分で前年度の確定申告をおこなわなければいけません。源泉徴収票はそちらで使います。
社会保険の加入手続きは会社でしてくれますが、以前加入していた健康保険の脱退手続きは自分でしなければいけません。
辞める前に転職活動をおこなう場合のスケジュール
まずは転職の計画を立てて退職日の目処をつけます。
先述のとおり3ヶ月など短期間で決めた方がいいでしょう。
そして現在の職場に退職の意向を伝えます。
辞めた後に転職活動をする場合と違うのは、退職と同時に転職するので日程の調節が必要です。
退職日がずれると健康保険や年金の空白が生じてしまい、その間は別の保険や国民年金に加入するなど、とても面倒なことになってしまいます。
もし退職の翌日に転職できるのであれば、必ず事前に年金手帳と雇用保険被保険者証は受け取っておきます。
転職の当日に新しい会社へ渡しましょう。
源泉徴収票は手元に郵送されてから提出しても問題はありません。
健康保険証は退職の翌日に前の会社に返却します。
なお離職票も送られてきますが、これはどこにも提出する必要がなく手元に保管します。
ちなみに離職の日から失業保険を請求せず1年以内に再就職して雇用保険に加入すると、被保険者の期間は合算されます。
転職を決めた!新しい仕事どうやって探す?
転職を決めたら、次は新しい仕事を探さなければいけません。
主に以下の方法があります。
・転職エージェント
・転職サイト
・スカウトサービス
・ハローワーク
・求人情報誌
・紹介派遣
・企業サイトからの申込
「転職エージェント」は、キャリアコンサルタントが転職をサポートしてくれます。
しかも料金はかかりません。
誰かにサポートしてもらいたい、仕事が忙しくて転職活動に専念できない場合に向いています。
「転職サイト」は、インターネットを通して数ある求人情報の中から自分で転職先を探します。
他人まかせでなく自分で転職先を決めたい、急かされずに自分のペースで活動したい人向けです。
「スカウトサービス」は、自分の情報を登録すると興味を持った企業からスカウトのメールが送られてくるサービスです。
転職エージェントや転職サイトのサービスの一環として組み込まれている場合もあります。
自分の市場価値を判断できますが、条件にはまれば手当たり次第メールを送る企業もあるので見極めが必要です。
「ハローワーク」は気になる仕事を全国規模で検索できて、担当者が電話でコンタクトを取ってくれます。
失業保険の給付を受けるなら、確実な求職活動の証拠となるので利用しておきたいところです。
「求人情報誌」は誌面で求人情報を確認できるので、インターネットと違って見落としを防げます。ただし情報が地元の求人に偏りがちで、職種も限られる点は要注意です。
「紹介派遣」は派遣会社に登録し、一定期間働いた後で正社員になるか決められます。
前もって会社の雰囲気や人間関係、向き不向きが分かるのはメリットですが、双方が合意に至らないと正社員にはなれません。
必ずしも希望の職種に派遣されるわけではないというデメリットもあります。
希望する企業のサイトへダイレクトに申し込む方法もあります。
そこから運良く採用に至ったケースもありますが、誰のチェックもない履歴書や職務経歴書を見られるので入念に作成しなければいけません。
転職活動のタイミングで募集していない場合もあります。
この中で利用している人が多いのは「転職エージェント」と「転職サイト」です。
次はこの2つについて詳しく紹介しましょう。
転職エージェントの選び方
転職エージェントに登録すると、まずキャリアコンサルタントと面接をおこない、本人の希望やスキル、経験などから条件に合う会社を探します。
もし現在の会社に不満があって転職するなら、その点も考慮してくれます。
他の方法では見られない非公開求人を多数抱えているのも魅力です。
キャリアコンサルタントは他にも履歴書や職務経歴書の添削をしてくれたり、面接対策をしてくれたりします。
時には日程調整や条件交渉を代わりにおこなってくれたりするなど、転職を徹底的にサポートしてくれます。
しかも採用に至れば企業から報酬を貰える仕組みになっているので、本人には一切お金がかかりません。
ただし転職エージェントであればどこでも良いわけではなく、それぞれに得意分野は異なります。
例えば営業や薬剤師などの職種、若手やベテランなどの年齢別、ハイキャリア専門の転職エージェントもあります。
またキャリアコンサルタントとの相性も重要です。
キャリアコンサルタントも仕事ですから、採用に至りそうなところがあると本人が気乗りしなくても猛烈にプッシュしてきます。
自分の意思が介入する余地が無ければ、不本意なまま転職することになりかねません。
良い転職エージェントの見つけ方は、まず自分の年齢やキャリアに合っているか、希望する職種に強いか確認しましょう。
各転職エージェントのサイトには求人の傾向や実績が掲載されています。
どちらかといえば、幅広い職種を扱う総合型エージェントが転職しやすいでしょう。
よほど特定の業種を希望しない限りは大手のほうが安心です。
次にどこまで転職をサポートしてほしいか考えます。
転職エージェントによってはキャリアコンサルタントの当たり外れが少なかったり、親身になってサポートしてくれたり、女性やフリーターからの評判が良かったりするなど強みが異なります。
キャリアコンサルタントの評判も大事です。
本人の向き不向きを考えずに手当たり次第抱えている案件を押し付けてくる悪質なキャリアコンサルタントもいます。
こうした転職エージェントの評判はインターネット上の口コミで確認できます。
ただし宣伝用の口コミもあるため、あくまでも悪い口コミを参考にするのがポイントです。
また一つではなく複数の転職エージェントを利用すると、サービスやキャリアコンサルタントの良し悪しを比較しやすいでしょう。
転職サイトから転職をする
転職サイトには求人情報が豊富に掲載されており、気に入ったところがあれば専用のフォームから応募できます。
手当たり次第に応募できるので転職エージェントよりも気軽ですが、転職活動のすべてを自分で進めなければいけません。
なにせ登録されている求人数は多いところで10万件以上にも及びます。
これといった転職先を見つけるだけでも大変です。
検索ワードで絞り込もう
効率よく希望の仕事を見つけるには検索時に入力するキーワードが大事です。
まずは具体的にどのような職種・仕事内容・給料・勤務先を希望するのか自分の中で絞り込みます。
該当する仕事が出て来なかった場合のために優先順位もつけておきましょう。
次にそこから連想されるキーワードをピックアップします。
例えば営業は多くの職種にある部署であり、職種によって求められる役割も仕事の進め方も異なります。
次々と顧客を開拓するノルマ型営業をしたいのか、訪問先が決まっている巡回型営業なのか、それによって入力するキーワードは変わるでしょう。
一人で一度に求職できるのは2~3件が限界なので、せめて10件程度まで絞り込めてからそれぞれの求職情報に目を通したいものです。
これだけ絞り込みができると、転職の基準が明確になって新しい求職情報が出てきたとき、すぐに応募できるでしょう。
現実とのギャップを埋めるには?
転職サイトで気をつけたいのは、提示されている情報が必ずしも真の姿を表しているとは限らないところです。
人手不足で悩まされている企業はとにかく人材を確保したいため、良いところばかりを強調しようとします。実際に採用されてみると騙されたと感じるでしょう。
よくあるのが年収です。
企業側が提示している年収の中には、現実ではなくモデルとして紹介されているものがあります。
ただしモデルですから並大抵の努力では到達できません。
もちろん到達できなくもないので嘘にもなりません。
また職場の画像もプロのカメラマンが撮っているなら、なおさら魅力的に見えるでしょう。
特に従業員が「笑顔」で写っている画像を出している企業は警戒したほうが良さそうです。
なぜなら本来、企業側が優先してアピールするべきポイントではないからです。
さらに長期にわたって転職サイトで求人を募集している企業は採用に至らないか、離職率が高い恐れがあります。
このようなところは応募するだけ時間の無駄でしょう。
本当の企業の姿を知るには、公式サイトを見るのが一番です。
またインターネット上で検索すると評判も分かります。
実際に応募する前にできるだけ情報を集めて、現実とのギャップを埋めましょう。
このような企業ほど応募した途端、とんとん拍子に話が進んで引くに引けない状況に陥りがちです。
転職サイトからの応募で差をつけるには?
人気がある企業ほど転職サイト経由の応募は殺到します。
全員がフォームからの応募になるため、企業側としては採用条件との合致はもちろん、自由記入欄を見て申込者の本気度をチェックします。
よく「書くことがないから」と、自由記入欄を空白のままにする人が多いですが企業側から見るとNGです。
質問欄でさえ空欄にすると企業に対して何の関心も持っていないと思われます。
自由記入欄こそアピールの場と考え、余すところなく入力しましょう。
また転職サイトはインターネットからの応募になるので、当面はメールでのやり取りが中心になります。
だからこそ普段とは違って言葉遣いや表現の細部まで気を配りたいものです。
話し言葉と違って形で残りますから、厳しくチェックされます。
たかが文章でも、何気ない言葉の選択や行間から申込者のやる気は伝わります。
フリーランスとして活動するという道もある
何度も転職を繰り返す人の中には、そもそもサラリーマンとして働くのが向いていない可能性があります。
そのような人にお勧めしたいのが「フリーランス」としての活動です。
フリーランスは特定の組織に所属せず、自らの能力により一人で仕事をおこないます。
「個人事業主」や「自由業」ともいわれています。
サラリーマンと比較した場合、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
・好きな時に仕事できて好きな時に休める
・勤務地を選ばない
・誰にも気遣う必要がない
・収入を気にしなければ仕事を選べる
・青色申告をすれば所得税の控除額が多くなる
デメリット
・収入は働いた分だけなので不安定
・仕事を反故にされやすい
・税務処理は自分でしなければいけない
・サラリーマンに比べると社会保障が弱い
・体調を崩すと代わりがいない
サラリーマンは仕事内容や人付き合いなど自由が少ない反面、給与や休日は保証されています。
一方、フリーランスは仕事次第で大きく稼げる可能性がある反面、のしかかる負担は大きくなります。
もしフリーランスのほうが向いているかもしれないと感じるのであれば、思い切って挑戦するのもいいでしょう。
ただしフリーランスになったからといって、すぐ仕事にありつけるわけではありません。
一つずつ小さな実績を積み重ねて、やっと大きな仕事が回ってくるようになります。
そこに至る前に生活が苦しくなったり、仕事をこなせなかったりして、サラリーマンに戻ってしまうフリーランスもいます。
最低でも1年、できれば2年間仕事が途切れても大丈夫なくらいの蓄えが必要です。
最近では「クラウドソーシング」といって、仕事を受注したいフリーランスと発注したいクライアントを仲介する業者が増えています。
わざわざ自分でクライアントを探す必要がありません。
ライターやプログラマー、デザイナーなど多くのフリーランスが登録しています。
もちろん最初のうちはコンペに参加したり、不特定多数が参加できる小さな仕事から始めたりします。
良い評価が増えれば指名で仕事が回ってくるようになるでしょう。
「でも、これといったスキルは無いし……」と心配する必要はありません。
サラリーマン時代の仕事をフリーランスでも活かせる可能性があります。
具体的にどのような活かし方があるのか、年収も併せて以下にまとめました。
スキル | 活かし方 | 平均年収 |
---|---|---|
パソコンが得意 | データ入力、資料作成 | 100~200万円 |
プログラミングできる | アプリ、システム開発・運用 | 500~700万円 |
画像編集ソフトを使える | ロゴ制作、Webデザイン | 300~400万円 |
外国語を話せる | 翻訳、通訳 | 200~600万円 |
営業経験がある | セールス・ビジネスサポート | 200~400万円 |
難易度が高い仕事ほど年収は高くなる傾向があり、誰でもできるようなデータ入力やライティングは低めです。
収入を増やすには報酬の単価を上げたり、専門的なスキルを身につけたりする方法があります。生産性を上げて、一つあたりの仕事にかける時間を短縮できれば、より多くこなせるようになるでしょう。
まとめ
仕事を辞めるのは簡単ですが転職は意外と難しいものです。転職するときはしっかりと計画を立てましょう。特に金銭面での余裕がなくなると転職に悪影響を及ぼします。
できれば3~6ヶ月くらいで決着をつけたいところです。転職エージェントを利用するとキャリアコンサルタントがこまめにサポートしてくれます。時にはフリーランスの道も検討してみましょう。