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辞めたいけどお金がない!利用できる公的支援制度
実は、会社の退職にはさまざまな公的支援制度が設けられています。何かしらあることは知っていたけれど、自分の場合でも利用できるのかわからないという方もいることでしょう。
それぞれの制度には一定の条件がありますが、少しでも生活に余裕を持てるよう、ぜひ活用してみてください。少し難しい内容も含まれますが、知っているとあなたの味方になること間違いなしです!
もらえるお金一覧
- ・退職金(会社で計算される。申請は不要)
実は、法律で定められているものではないため、そもそも退職金制度がない会社もあります。その場合は、退職後はあなたの蓄えで生活していくことになります。退職金制度の有無は事前に就業規則などで確認しておきましょう。
退職金の金額は基本給の高さ、勤続年数や役職の有無によっても左右されます。2018年に行われた東京都産業労働局の調査では、勤続年数3年未満では退職金が支給されない会社が半数以上だという結果が出ました。
参考元:中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)
- ・失業給付金(申請先:ハローワーク)
失業手当ともよばれます。自己都合退社の場合の条件は、「再就職の意思があること」、「失業のため当面の生活に困っていること」、そして「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること」です。
ハローワークに行く際は、以下の持ち物を用意しましょう。
■離職票
■雇用保険被保険者証(雇用保険資格喪失届)
■本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
■印鑑
■証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
■預金通帳
- ・失業保険(申請先:ハローワーク)
雇用保険の基本手当のことを指します。自己都合退社でも同じ職場で12ヶ月以上雇用保険に加入していれば受給資格があります。
ただし、特別な注意点がふたつあります。
ひとつは、 失業から7日間の「待機期間」に加え、自己都合退社の場合は3ヶ月の「給付制限」の期間が適用される ことです。
待機期間が満了してから、さらに最短でも3ヶ月間は、基本手当が銀行口座に振り込まれるまで待つと知っておきましょう。
ちなみに、解雇された場合など会社都合で失業したときは「特定受給資格者」として認定され、3ヶ月の給付制限はなし。自己都合よりも早く手当が支給されるという違いがあります。
もうひとつ注意すべきは、失業保険がおりて、受給中にアルバイトをする場合です。
制度の条件として、週20時間以上の労働または、31日以上の雇用が見込まれる場合は、受給資格をなくしてしまいます。こちらもあわせて知っておきましょう。
- ・傷病手当金(全国健康保険協会)
通勤や業務以外の理由でケガや病気になった際に利用できる制度です。また、場合によっては雇用保険の傷病手当または基本手当の受給期間を延長することも可能です。
ただし、それらの傷病手当関連の給付金との併用はできないため、注意しましょう。ほかにも細かな条件があるので、健康保険協会のHPなどで確認してみてください。
- ・再就職手当(申請先:ハローワーク)
失業保険を受給している期間中、「安定した職業への就職」が決まった際に支給されます。早期再就職をした場合の手当金です。条件の一部を抜粋すると、
■失業後、7日間の待機期間を満了して就職を開始したこと
■新しい就職先で、雇用保険に加入していること
■過去3年以内に、再就職手当の支給を受けていないこと
などがあります。
- ・就業促進定着手当(申請先:ハローワーク)
再就職手当の支給を受けていること
再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6ヶ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
再就職後の賃金が離職前の賃金よりも低いこと
が条件です。
なお、就業促進定着手当の申請書は、再就職手当の支給決定通知書とともにハローワークから郵送されます。再就職手当の支給が決定したのに手元にないという場合は、問い合わせてみましょう。
- ・住居確保給付金(市区役所)
個人(世帯)が、減収をして住居の家賃を支払うことが難しいと認定された場合、受給できます。以下のような条件のほか、収入の条件、資産(預貯金など)の条件が自治体ごとに設定されています。
1.金額 原則、3ヶ月分の家賃相当額(上限は自治体ごとに異なる)
2.支給方法 住居の貸主の口座に振り込まれる(一例)
3.姿勢 誠実かつ熱心に求職活動を行うこと
以上が、仕事を辞めるときにもらえるお金一覧です。
税金減免制度
税金が一時的に減免される制度です。こちらも別途申請が必要となるため、事前にチェックしておきましょう。種別ごとにひとつひとつ解説します。
申請手続きを始めるのにまず必要になるのが、先ほども伝えた雇用保険被保険者離職票です。働いていた会社から離職票を受け取ったら、 住んでいる市区役所の各窓口へ相談しましょう。 何度か使う書類なので、本人確認書類とあわせて早めにコピーを取っておくと便利です。
- ・国民年金保険料
減免・免除・納付猶予制度いずれかが申請できます。
- ・国民健康保険料
「失業等による特例免除」が申請できます。
- ・住民税
自己都合退職であっても、納税が難しい場合は分割払いや支払い猶予が申請できます。これら年金・税金関係は、HPから申請書をダウンロードすれば郵送でも申請ができます。
対面でも一度相談窓口へ出向けばすぐに手続きが済むので、仕事を辞めてからが不安だという方にはおすすめします。
- ・奨学金猶予制度
大学などで奨学金を利用した場合は、社会人になってからの負担になっていることもあるでしょう。公的制度と同じく、奨学金に関しても返還期限の猶予制度があるのが一般的です。
書類の提出後、その機関内での審査を経て、猶予が認定されるという流れです。多くの場合は、各奨学金機関のHPなどから書類がダウンロードできるため、確認しましょう。
お金をもらいながら、ゆっくり休めちゃう!
たとえば、あなたが現在28歳で自己都合退社をしたと仮定します。仕事がなくなったからといって、けっして絶望しないでください。
退社理由が自己都合だとしても、解説したような失業保険や退職金を合わせれば100万円以上もらえることもあるのです。
ゆっくり休める
人間関係がつらかった、残業が続いたなど、さまざまな苦労や不満があったかもしれませんが、一度意識的にお休みすることもひとつの方法ですよ。
あなたの好きなことに時間やお金を投資するのも良いですね。
また、在職中に体を悪くしてしまったという人もいるかもしれません。ときには今までの環境から距離を置いて、しっかりとお休みを取りましょう。
転職活動もできちゃう
さて、転職活動にかかる費用はいくらぐらい見積もれば良いのでしょうか。費用が工面できずに転職活動がストップ!それは、なんとしても避けたいですよね。
転職活動を在職中に始めておくと、後が少し楽になりますよ。 ネットでの業界リサーチから、職場見学など、転職のためにできることは多少なりともやっておきましょう。
今すぐ転職活動を始めよう!
転職活動は、退職してから始めようと思っていませんか。先ほども述べましたが、今すぐ転職活動を始めることには複数のメリットがあります。
転職活動を早く始めたら後々の休める時間も長くなる
マイペースに活動できる転職活動の方法を利用します。
「今日一日この時間は、この職種についてリサーチして情報をまとめる」「仕事に関係した資格はある?どこで取れるか?」など、時間を決めて活動するのが向いている人もいることでしょう。
早めに行動しておいて損することはありません。
転職エージェントに登録
特におすすめなのが、 転職エージェントの利用 です。もう一般的になっていることですが、あなたが全国のどこに住んでいても、インターネットを通じて転職サポートをしてくれるのは嬉しいですよね。
さらにわかりやすいメリットとしては、
- ・利用が完全無料
- ・独占求人を会員限定に掲載・紹介している場合がある
- ・転職にまつわることならなんでも相談可能 ということですね。
ひとりで転職志望先の業界を調べていると、古い情報をピックアップしてしまうことや、そもそも気になる会社は求人非公開だった、ということもあるでしょう。希望条件の会社を見つけるには、コツがいるものです。
あなたがもし、業界リサーチが得意な人だとしても、紹介者の目線から意見を聞いてみるのも方法のひとつではないでしょうか。
また、転職エージェントによっても専門分野・得意分野がさまざまなため、複数のエージェントに登録してみて、サービスを比較するのもおすすめです。
まとめ
仕事を辞めたときの公的支援制度について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
申請し忘れないようリストアップして、給付条件に当てはまるとわかったものについては重点的にチェックしておきましょう。
仕事を辞めてからの期間、そして転職には意外とお金がかかるものです。新天地への引っ越しや、新しい仕事道具が自前で必要になることもあるでしょう。
そこで役立つのが、今回紹介したようなお金の知識や、転職エージェントの利用です。
今まで働いてきた分、しっかりとお金をもらうことで、気持ちに余裕をもって今の仕事に取り組めるかもしれませんよ!